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ルーテシアRS再生計画(其の2)

サービス伊東の独白

まだ残暑の残る有る夏の日の夕方の事です。社長とNさんに呼ばれました。『エンジンいっちゃてるRS有るでしょ?あれTipoの企画で直すからよろしくね。詳しくはNちゃんに聞いて』といってどこかに出かけて行きました。
Nちゃん『実はRS復活計画を紙面上で展開するのでこれからよろしくお願いします。社長とも話したんだけど、ただ直すだけじゃ面白く無いからライトチューンしたいって思ってますので何かアイデアあったら出して下さいね。ちなみに取材の日程は2ヶ月に一回、締め切りは発売日の半月前位です。』
って事はいつまでに仕上げるんですか?『10月発売号なので9月中旬です。』『あと一ヶ月......。時間があまりないの段取り決めてやりましょう!(こっちの都合も有るのにいつも急なんだよね〜)』
という事で社内会議を開いた結果、テーマは《リフレッシュ&お手軽プチチューン》に決定。
1:エンジン廻り
2:足回り・ボディ補強
3:ブレーキ廻り
4:排気系
5:追加やお客さんからのリクエストがあれば追加。
以上の5点に一応決定!追加で面白うそうな事が有ればその都度変更ありって事になりました。2ヶ月に一回のペースで紙面に出して頂きますのでよろしくお願いします。

《エンジン廻り》

エンジンに関してはお手軽なハイカムを取付ける事に決定!今回から日本で加工出来るところを発掘したので今までの20万円コースとはサヨウナラ〜です!DOHCモデルで10万円チョイから販売出来る様になりました。
本題のエンジンオーバーホールに入ります。まずはエンジンルームの補記類を外して行きます。続いてバンパー・ヘッドライトの大物。エンジン廻りのインマニやエキマニを外します。ここで特殊工具をカムシャフトに取付けします。
【[注]ここで一言!ルノー車(ルーテシア2以降のDOHC車)車のタイミングベルトを交換する場合特殊工具が必要になりますのでご注意下さい!】
次にメインベルト→クランクプーリー〜(途中省略・カムプーリーも特殊工具必要)ヘッドカバーを外しついにカムシャフトを外します。そして運命の分かれ道!ヘッドを取り外します。
ピストンは大丈夫か?汚い〜。カーボンだらけです......。目視した感じは平気です。ヘッドは?????バルブの様子がなんだか変だぞ?押しても閉じないし.......。曲がってる.......。それも16本全部........。16本?じゅうろっぽん?マジですか?



ディーラー時代から今までの10数年で、ここまで凄いのは初めて見ました。いや〜長生きはするもんですね〜(若作りしているけど実は○○歳です.....。)と変な関心をしていても仕方ないので次の行程へ。
今回はプチチューニングをするのもあり、ヘッドはNちゃん知り合いの某エンジンチューナーへ!ここでヘッドの修正をお願いしました。
ここで自称レーサーNちゃんのお勧めが!ポート研磨〈ポート研磨?→今回行なったポート研磨は簡単に言うと混合気が通る通路を若干広くしてツルツル・スベスベに研磨して気体の流れを良くする事でシリンダー内にいっぱい混合気を入れて爆発パワーを大きくする事です、排気側もやったので排気ガスをシリンダーからスムーズに排出する事が出来ます。〉それとお約束の面研(簡単に説明するとヘッドを若干削り圧縮比を上げる作業です。シリンダー内が削った分狭くなるのでエンジンの爆発力が上がりパワーアップします)そしてバルブの擦り合わせへ!(バルブの擦り合わせとは?→とっても簡単に言うとバルブが閉じたとき、ぴたりとふたができるようにすること。混合気が漏れなくする事)その後バルブシールの交換をしてまた組み上げて行きます。
ここまではエンジンチューナー屋さんがやってくれるので、こちらは腰下の清掃に入ります。
これがカーボンだらけ!6万kmのエンジン内部はカーボンだらけで真っ黒です。これをシコシコと汚れを落とします。(これがまた腰の痛くなる根気のいる作業です)そして組み上がって来たヘッドを組み上げれば出来上がり!あとは補記類を付けて行くだけです。
有る程度組んだ段階でエンジンに火を入れます。エンジンブローの状態から考えると何かしら起きても不思議ではないのでキーを廻す右手にも思わず力が入ります。
キュルキュルキュルボーン。ガシャガシャガシャ・・・・・・とエンジンから明らかに異常音が発生!すぐエンジンを停止して、皆で顔を見合わせます。組み間違い?エンジン内部の目視出来ない様な部分が壊れてる?目視出来る範囲は問題なかった...。もう一度確認の為にキーを捻ります。ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ.....。やっぱり異常音がします。ガックシ.....。疲れ倍増....。あ〜もう嫌だ〜。
愚痴ってても仕方ないのでもう一度ヘッドをバラして行き、組み方に間違いないのを確認しつつ原因を探って行きます。
うん?ロッカーアームが何か変?なんだろう?信じられない......。これが原因だ.....。人生本当に色々あるな〜。という訳で原因は写真をご覧下さい。
なんとロッカーアームの爪が割れてます。っていうか砕けてます。こんなの有り?
原因はこれですね。ロッカーアームの座りが悪くてバルブが動く時にちゃんと固定されてないから、ブレて異音が出ていたんです。
気を取り直して組み上げて恐る恐るキーを捻ると.......。ブーオン ヴォッヴォッヴォとハイカム特有の音を微かに響かせながら、あのガシャガシャといった壊れそうな音は消えました。良かった〜ふ〜。

《試乗をしてみて》

組み上げてから慣らしを約1000km程して徐々に回転数を上げて行くと、上がモーターの様にスムーズに廻りフケ上がるスピードが今までの1.8倍って感じになっています。明らかにポート研磨と面研とハイカムの3点セットが効いてます!
ちなみにポート研磨は1気筒あたりインテーク・エキゾーストそれぞれ12600円なので全部やると12600x8=100800円になります。面研は31500円。ハイカムは126000円です。
今回はプチなのでそんなに攻めてませんがもっと過激なエンジンチューンも承りますので興味の有る方はご相談下さい。
ではエンジンプチチューニングはこんな所で終わらせて頂きます。何かご質問が有れば伊東までお気軽にお問い合わせ下さい。

バンパー・ヘッドライトも外します。

ヘッドカバーを外したところ。これからカムシャフトを取り外します。(特殊工具必要!)

カムシャフトも外れました。

もうすぐです。

何か耳みたいで可愛いですよね。バルブが曲がった所を分かりやすく撮りました。

ポート研磨で綺麗に削りましょう!

バルブシートをカットしている場面

研磨後

カーボン落とした後。

ついでにウォーターポンポも交換

タイミングベルトまで付けました。

もうすぐ終了。